レビュー投稿でプレゼント、今でもやっていいの?景品表示法と各モールの最新ルールを徹底解説

レビュー投稿でプレゼント、今でもやっていいの?
「レビューを書いてくれたらプレゼントします」——EC運営をしていると、一度はこの施策を考えたことがあるのではないでしょうか。でも実は、やり方を間違えると法律違反になる可能性があります。しかも2024年10月に景品表示法が改正・施行され、違反した場合のリスクがこれまで以上に高まっています。

この記事では、レビュープレゼント施策の現状を法律とモールの規約の両面から整理します。

1. 高額商品が当たる懸賞、昔と今の違い
高額商品が当たる懸賞、昔と今の違い

缶のプルタブを開けると「当たり」の文字——。コカ・コーラの当たり栓キャンペーンを覚えている方も多いのではないでしょうか。商品を買わないと応募できない、いわゆる「購入条件付きの懸賞(クローズド懸賞)」の代表例です。

景品表示法(景表法)は昭和37年(1962年)から存在していましたが、かつては取り締まりが緩やかで、購入条件付きで高額景品を提供するキャンペーンが広く行われていた時代がありました。

では今はどうでしょうか。実は「車が当たる懸賞」は今も存在します。ただし、昔と今では決定的な違いがあります。それが「購入条件があるかどうか」です。

懸賞には大きく2種類あります。商品を購入した人だけが応募できる懸賞(クローズド懸賞)と、購入に関係なく誰でも応募できる懸賞(オープン懸賞)です。景品表示法の規制を受けるかどうかは、この「購入が条件かどうか」で決まります。

購入条件あり(クローズド懸賞) 購入条件なし(オープン懸賞)
景表法の規制 対象になる 対象外
景品の上限 取引価額の20倍まで 上限なし
車のプレゼント ❌ 違法になる ✅ 合法
昔の慣行 グレーゾーンで横行していた

今のコンビニや大手メーカーの懸賞キャンペーンが「レシートなしでも応募できます」と明記しているのはそのためです。購入条件をなくすことで景表法の規制対象外(オープン懸賞)となり、高額景品も合法的に提供できます。

形式だけ「誰でもOK」にして、実態は購入者しか応募できない設計——たとえば店頭の応募箱にしか用紙がない、購入者にしかURLを知らせないといったケース——は、消費者庁から実質的にクローズド懸賞とみなされるリスクがあります。

ECのレビュープレゼントも、この「購入条件があるかどうか」という構造と同じ視点で考える必要があります。やり方を間違えると法律違反になるだけでなく、2024年10月施行の景品表示法改正で罰則も強化されました。何がOKで何がNGなのか、以下で法律とモールの規約の両面から整理します。


2. そもそも「レビュープレゼント」とは何か

レビュープレゼント(またはレビュー特典)とは、購入者に対して商品レビューの投稿を条件に、金品や次回クーポンなどの特典を提供する施策のことです。

EC事業者がこの施策を使う理由は明快です。

  • レビュー数が増えると検索順位が上がりやすい
  • 口コミが増えることで新規顧客の購入ハードルが下がる
  • 評価点数の底上げができる

消費者にとっても「特典がもらえるなら」と投稿するモチベーションになるため、一見すると双方にメリットがある施策に見えます。しかし、ここに大きな落とし穴があります。

レビューは本来、実際に使用した人が自分の意思で書く正直な感想であるべきです。特典を条件にすると、消費者は批判的な意見を書きにくくなり、高評価に偏る可能性があります。これが「やらせレビュー」「サクラレビュー」として問題視される理由です。

「サクラレビュー」の実態や具体的な問題については、以下の記事で詳しく解説しています。
👉 サクラレビュー問題について詳しく見る


3. 景品表示法改正(2023年成立・2024年10月施行)で何が変わったか

2023年5月10日に「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」が国会で可決・成立し、2024年10月1日から施行されました。今回の改正の主なポイントは以下のとおりです。

① 確約手続きの導入

違反の疑いがある事業者が自主的に是正措置計画を提出し、消費者庁の認定を受けることで、措置命令や課徴金を回避できる仕組みが新設されました。ただし、認定を受けた場合は企業名と概要が公表されます。

② 課徴金の引き上げ(繰り返し違反への加重)

過去10年以内に課徴金納付命令を受けたことのある事業者が再度違反した場合、通常の1.5倍(売上の4.5%)に課徴金が増額されます。

③ 罰則の強化(直罰規定の導入)

優良誤認表示・有利誤認表示に対する直罰として、100万円以下の罰金も新設されました。

④ 適格消費者団体による開示要請

違反の疑いがある事業者に対して、消費者団体が合理的根拠の開示を求めることができるようになりました。

これより少し前の2023年10月には、ステルスマーケティング(ステマ)規制も施行されています。「特典をもらってレビューを書いているのに、それを明示しない」場合はステマに該当する可能性があります。

4. モール別の規約比較

各ECモールによって、レビュープレゼントに関するルールは大きく異なります。まず全体像を表で確認しましょう。

モール レビュー特典 クーポン 金券・現物
Amazon ❌ 全面禁止
楽天市場 ⚠️ 条件付きOK ✅ 次回分のみ
Yahoo!ショッピング ❌ 依頼自体NG
Qoo10・カウシェ ✅ モール公式
Amazon:最も厳しい・事実上の全面禁止

Amazonは、レビューに対する報酬提供について最も厳格な姿勢をとっています。商品に同梱されている「レビューを書いてギフト券をもらおう」という案内カードを見かけたことがある方も多いかと思いますが、これはAmazonの規約に明確に違反しており、発覚した場合は出品停止などの厳しいペナルティを受けます。

レビューの対価としてギフト券・現金・商品を提供すること/レビュー投稿を求めるカードを商品に同梱すること/星の数を指定してレビューを依頼すること
楽天市場:条件付きでクーポンOK・金券はNG

楽天市場は、一定の条件を満たした場合に限り、レビュー投稿への特典提供を認めています。

商品到着後にレビューを投稿したユーザーに対して、「次回送料無料クーポン」「次回○○円割引クーポン」など、今回の注文の値引きに該当せず、商品発送およびレビュー投稿の確認後に付与できる特典は、例外として認められます。
レビューの評価・内容によって特典内容を変えること/レビューコンテストや抽選プレゼント/商品同梱の粗品・金券(Amazonギフト券など)/購入前の段階でレビュー投稿の意思確認を行う選択肢の設置
Yahoo!ショッピング:レビュー自体を求める行為もNG

Yahoo!ショッピングの規約はさらに厳しく、そもそもレビュー投稿を求めること自体が規約違反とされています。「書いてください」とお願いするだけでもアウトになるため、レビュープレゼント施策は原則として実施できないと考えておくべきでしょう。

Qoo10・カウシェ:モール公式でポイント付与

Qoo10やカウシェのように、モール自体が公式にレビュー投稿者へポイントを付与しているプラットフォームも存在します。この場合、特典を提供しているのはモール運営側であるため、出店者のルール違反にはなりません。ただし、出店者が独自に追加でプレゼントを提供する場合は、景品表示法の規制を受ける可能性があります。


5. 景品表示法のルール:上限金額を正しく理解する
総付景品(全員プレゼント)の上限額

・取引価額が 1,000円未満の場合 → 景品の上限は 200円
・取引価額が 1,000円以上の場合 → 景品の上限は 取引価額の20%

例:3,000円の商品 → 上限600円 / 10,000円の商品 → 上限2,000円
クーポンはどう扱われるか?

自社で使える「○○円引きクーポン」(固定額)は値引きとみなされ、景品規制の対象外になります。一方、「20%引き」などパーセント表示のクーポンは景品として扱われる場合があるため注意が必要です。また、Amazonギフト券や商品券などの金券は景品として扱われます。

ステマ規制との関係

レビュー特典を提供した場合、投稿者は「特典をもらって書いた」という事実を明示する必要があります。これを明示しないと、2023年10月から施行されているステルスマーケティング規制に抵触する可能性があります。


6. 自社ECサイトでの注意点

自社ECサイトの場合、モールの規約による縛りはありませんが、景品表示法とステマ規制は当然適用されます。

① 総付景品の上限を守る

商品価格の20%以内(1,000円未満は200円以内)を厳守してください。特に金券は景品として扱われるため、計算を間違えやすいポイントです。

② ステマ規制への対応

特典を提供してレビューを書いてもらった場合、そのレビューが「PR」「特典提供あり」などであることが読者にわかるようにする必要があります。自社サイトのレビュー欄にそのような表示機能があるか確認しましょう。

③ 星の数を条件にしない

「星4以上でクーポンプレゼント」といった評価内容を条件にした施策は、ステマ規制に抵触する可能性があります。評価の内容に関わらず、投稿した全員に同じ特典を提供する形にしましょう。


7. 正しいレビュー獲得の方法
① サンクスメール・フォローアップメール

商品到着後に「ご感想をお聞かせいただけますか?」とレビューの書き方を案内するメールを送ることは、多くのモールで許可されています(ただしYahoo!ショッピングは規約を要確認)。特典は約束せず、純粋に感想を求める形が基本です。

② 商品・梱包・同梱物の品質を上げる

最も根本的な方法は、感動を与える商品や体験を提供することです。丁寧なパッケージング、心のこもったメッセージカード、充実した使い方ガイドなどが「思わず感想を書きたくなる」体験につながります。

③ モールの公式レビュー支援機能を活用する

楽天市場には公式のレビュー支援ツールがあります。モールが提供する正規の仕組みを活用することで、規約違反のリスクなくレビューを増やせます。

④ 購入後のSNSシェアを促す

SNSでの感想投稿を促す施策はモール規約の対象外になる場合があります。ただし、ステマ規制は適用されるため、PRであることの表示は必要です。

⑤ オープン懸賞を活用する

景品表示法上、購入条件のない「オープン懸賞」は景品規制の対象外です。「商品を購入した方も購入していない方も応募可能」という形のSNSキャンペーンは金額制限なく実施できます。


まとめ
  • Amazon:全面禁止。同梱カードも含め、いかなる形のレビュー対価もNG
  • 楽天市場:条件付きOK。商品到着・レビュー投稿確認後に次回クーポンを提供する形は可。金券・抽選はNG
  • Yahoo!ショッピング:レビューを求めること自体がNG
  • Qoo10・カウシェ:モール公式でのポイント付与があり、構造が異なる
  • 景品表示法上の上限:全員提供の場合「商品価格の20%以内」
  • ステマ規制:特典を受けてのレビューは「PR」表示が必要

2024年の景品表示法改正で課徴金の増額や直罰規定が導入されたことで、違反のリスクはこれまでより格段に高くなっています。「みんなやっているから大丈夫」という時代はすでに終わっています。

正しい知識を持ち、法律とモールの規約の両方を守った上で、消費者に信頼されるレビュー施策を設計していきましょう。

📝 筆者メモ:景品表示法の規制はモールの規約よりも上位のルールです。「モールがOKと言っているから大丈夫」ではなく、法律の範囲内でモールの規約も守る、という順番で考えるようにしましょう。

本記事は2026年3月時点の情報をもとに作成しています。法律・規約は変更される場合があるため、最新情報は消費者庁および各モールの公式サイトでご確認ください。

yamashita

デザイン工房YAMASHITA|元ネットショップ店長

ECサイトの運営を長年担当し、受注管理から商品企画、画像制作まで幅広く経験してきました。 日々の業務をコツコツ積み上げることが好きな性分です。 一人の時間が増えたことをきっかけにブログをはじめ、EC運営・デザイン・AIツールについて実体験をもとに発信しています。 趣味はギブソンJ45を趣味程度に弾いています。 ブレンディボトルコーヒーが好きで、現在Mac mini+4Kモニターの導入を検討中です。

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元ECショップ店長。デザイン・EC運営・AIツールについて発信しています。

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