②Amazon出店のリスクとは?元店長が語るメリットと注意点

②Amazon出店のリスクとは?元店長が語るメリットと注意点 ◀ 前回:①Amazon出店のメリットとは?元店長が語るメリットと注意点

※この記事は「Amazon出店シリーズ」の第2回です。
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Amazonをはじめとするモールは売上を作りやすく便利なプラットフォームですが、出店者として内側に入ると見えてくるリスクもあります。本記事では、元店長の経験をもとに、特に注意すべき「ブランド盗用」と「モール依存」のリスクについて整理します。

Amazon出店のリスクとは

出店者が直面するリスクは大きく分けて2つあります。
ひとつはブランドや商品が第三者に使用される「ブランド盗用」、
もうひとつは売上依存による「モール依存」の問題です。
それぞれの現状と、出店者としての対策を解説します。

ブランドが守りにくい

  • 屋号や商品画像が第三者に流用されるケースがある
  • 商標登録しても完全に防ぐのは難しい
  • Amazonへの通報はできるが、対応には限界がある
  • 相乗り出品による正規品と紛らわしい商品が混在する

Amazonで出店していると、「え、なにこれ?」と思わず口に出したくなる商品ページに遭遇した。自分のブランド名や商品画像が、第三者にそのまま使われている、というケースだ。

私が担当していたブランドでも、同じ屋号と画像が別の出品者に使われているのを見つけた。
画像は5枚あったが、すべてそのまま流用されていた。加工すらしていない。

正直、最初は冗談かと思ったが、商標登録もしていたので、さすがにこれは対応してもらえるだろうと思ってAmazonに通報した。
返事は来た。テンプレートっぽい文章で「確認します」と。

ただ、最終的に大きく改善されたかというと、正直なところ微妙だった。

仕組み的に、Amazonは「出品者同士の問題は当事者間で解決してください」というスタンスに見えたので反論はした。「相手の業者に注意喚起してください」と伝えたが、状況は改善されなかった。
巨大プラットフォームの中で、ブランドを守るのは想像以上に面倒に感じてしまった。

普通に出店者が自己防衛しやすい仕組みとは言い難い、モール側が出店側や消費者を大事にするスタンスであれば、そもそもこのような問題は起こらない。

もう一つ、出店者も消費者も困惑する仕組みが「相乗り出品」です。消費者は正規品や信頼できる会社の商品だと思って安い価格帯を選ぶため、優良ブランドの商品ラインの間に価格の安い別商品が混ざることもあり、出品者も消費者も迷惑になります。詳細は「Amazon相乗り出品の真実|元店長が明かす被害の実態と、独自ブランドで生き残る限界突破術」で詳しく解説しています。

📝 筆者メモ:商標登録までしていたのに、結果的にほとんど守れなかった。Amazonというプラットフォームの力の前では、個々の出店者の声はなかなか届かないと実感しました。

実はこれは私だけの話ではありません。2025年4月、東京地裁はAmazonに3,500万円の賠償を命じる判決を下しました。偽造品の相乗り出品への対応を怠ったとして提訴されたもので、裁判所は「申告を受けたにもかかわらず正規品ごとページを削除した対応には重過失がある」と判断。出店者がブランドを守ることの難しさは、司法の場でも認められたのです。

サポートの現実

Amazonのサポートは万能ではありません

Amazonのサポートは万能ではありません。
登録や商品ページの修正でトラブルが起きたとき、想像以上に自分で解決しなければならない場面が多いと感じました。

ここでは、実際にどのような問題が起きたのか、私の実体験を紹介します。

商品登録及び修正

  • 商品情報を修正したのに元に戻る
  • 直したのに「改善してください」と警告が出る
  • 修正→元に戻る→再修正の無限ループ
  • ページの隣に警告表示が出る
  • 露出(検索順位・表示)が落ちる

商品登録もかなりストレスでした。
修正したはずの情報が、いつの間にか元に戻っていることが何度もありました。

さらに改善したのに、商品ページの隣に「改善してください」という表示が出続けることもあります。
この表示が出ると、ページの露出が下がることを意味するため、正直かなりイライラしました。

本人確認・書類系

  • 承認されない
  • 何度も再提出
  • 担当者で判定が変わる

自社ECサイトでAmazon Payを使えるようにするために申し込みを行ったことがあります。
ところが、「代表者氏名と会社名が一致しない」という理由で審査に通りませんでした。

こちらは登記簿で正式な法人情報を確認し、問題がないことを説明したのですが、2週間後にまったく同じ内容の指摘が再度送られてきました。

その後、🔄 確認 → 同じ指摘 → 再説明 → くり返し…というやり取りが何度も繰り返され、結局、最後まで解決できずに導入を断念しました。

書類や法人情報に問題がないにもかかわらず承認されない。
担当者が変わるたびに判断が変わる。
正直、こちらがどう説明すれば通るのかわからず疲弊し結果、Amazonペイは諦めました。

ブランド登録(Brand Registry)

  • 商標あるのに1回目は拒否
  • 商標登録がない第三者が登録できたのは不自然
  • サポートの回答が噛み合わない

以前、Brand Registryには商標登録番号を入力する専用欄があり、正式な番号を正確に入力しました。
にもかかわらず最初の申請はなぜか通りませんでした。

その後、再申請したところ2回目で登録が通りました。
結果的に登録はできましたが、最初の拒否理由は最後まで明確ではなく、1回目と同じ記載をしたので疑問が残りました。

結局、Amazonのサポートは万能ではなく、自分で解決する力がかなり必要だと感じました。登録や修正、書類やブランド申請のどれも、一筋縄ではいかず、ストレスと手間が想像以上にかかり、その大変さを実感しました。
しかし、Amazonの運営のあり方やスタイルを認めたわけでもありません。
信用がある出店側があって商売がなりたつ仕組みを再度理解して、もう一度、原点に戻って考えてもらいたいものです。

優先順位(私の考察)

1位 消費者
2位 配送
3位 出店業者

モール依存の危険

モール依存の危険:事業の主導権は誰のもの?
  • セールがあると利益率、売り上げの変動が激しくなる。
  • 価格競争や手数料、規約変更などの影響を直接受ける。
  • 売上の大部分を依存すると、事業の主導権はプラットフォーム側に移る。

各モールでたびたび開催される〇〇セール。
値引き額は出店側で決められますが、値引きの大きさによって商品ページの露出度が変わります。
そのため、値引きしないと、反応はどうしても薄くなります。

とはいえ、Amazonや楽天は売上を作るには非常に強いプラットフォームだと思います。
ただ、モール依存が進むと、価格競争や手数料、規約変更の影響を直接受けることになります。

売上の大部分をモールに依存していると、事業の主導権はプラットフォーム側にあり、便利さと引き換えに、経営の自由度が下がり、利益があまりでない構造になってると個人的に思います。

モール依存を避けるための戦略として「④自社ECのすすめ」について整理してます。
モールのメリットを活かしつつ、自社サイトでブランドや販売の主導権を持つ方法を解説します。

📝 筆者メモ:モールは集客力が強い分、依存度が高くなりやすい。気づいたときには「モールなしでは売れない体質」になっていることもあります。早めに自社ECとの併用を考えることをおすすめします。
▶ 次の記事を読む
③サクラレビューの問題

📚 Amazon出店のポイント(全4回)

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yamashita

デザイン工房YAMASHITA|元ネットショップ店長

ECサイトの運営を長年担当し、受注管理から商品企画、画像制作まで幅広く経験してきました。 日々の業務をコツコツ積み上げることが好きな性分です。 一人の時間が増えたことをきっかけにブログをはじめ、EC運営・デザイン・AIツールについて実体験をもとに発信しています。 趣味はギブソンJ45を趣味程度に弾いています。 ブレンディボトルコーヒーが好きで、現在Mac mini+4Kモニターの導入を検討中です。

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元ECショップ店長。デザイン・EC運営・AIツールについて発信しています。

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